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相続対策として未成年者に対する贈与をする場合とは
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◇【黒川会計】『未成年者に対する贈与をする場合とは』◇
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いつも大変お世話になっております。Support黒川会計です。
平成27年に相続税の税制改正があり大幅に相続税の納税対象者が増えることとなりました。
そこで、今回は未成年者である社長様のお子様やお孫様に対して贈与(例えば金銭をあげる)場合について簡単にご紹介をさせていただきます。
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│●では、贈与とはどういったものなのでしょうか?
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贈与とは、基本的に「あげる側」と「もらう側」のあげる契約(又はもらう契約)をすることとなります。「あげると言う意思」と「もらうと言う意思」とで【成立】します。口頭でも成立しますが、やはりその後のトラブルを避けるためにも、贈与契約書を作成しておきましょう。
このあげる!もらう!が成立していないと【名義預金】(贈与者の単なる一方的な行為)として贈与が成立せずに、贈与者本人の相続財産(名義借り預金)として相続税の課税がされることとなりますので、くれぐれもご注意ください。
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│●贈与契約は年齢に関係なく成立するのか?
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では、贈与契約は年齢に関係なく(成人していなくても)贈与成立をするのか?ともうしますと未成年者でも贈与契約は成立します。また、そのことを未成年者が事実の有無を理解しているかどうかは無関係となります。
その際には、たとえば祖父母からの贈与であれば、孫の通帳にお金の入金をしてもらい、贈与契約書に法定代理人として父や母が息子に代わり署名押印することとなります。その際には、贈与契約書には、受贈者である孫の名前を記載しますが、法定代理人が印鑑を押すこととなります。
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│●なぜ、孫への贈与がいいのか?
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祖父母から孫への贈与は世代を一回(祖父母⇒両親⇒孫のうちの両親を飛び越える。)飛び越えます(遺言や孫を養子縁組したことで相続財産を取得した場合でも相続税が2割増しとなる。)ので、とっても有効に活用していくことができます。
また、資産家の方が亡くなった時には、死んだ日前3年間にされた贈与は相続税の計算対象となってしまいますが、法定相続人以外である孫の場合には、生前贈与加算の適用対象外となりますので、有効に活用していきましょう!
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│●未成年者への預金贈与への注意点として
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預金等の場合にとくに税務上【借名預金】として問題になることや、その行為が認められなくなるというリスクがございます。
その際に【Check Point】となるのが、未成年者が利益を得ることは単独でも有効と法律上は保護されておりますが、管理運用・利益の享受が全て未成年者に帰属しているかという検証が必要となってきます。また例えば、その口座から未成年者の携帯代金の引き落としをしたり、おもちゃ等など未成年者が必要な買い物をする際に引き出したり、あるいはお年玉をその口座に預け入れたりすることをしていたら、まさに未成年者の預金通帳として機能していることを対外的にもアピールできることになると思います。
よって、贈与して多少の申告をして贈与契約書があれば問題無し!というのは全くの誤りですからご注意してください。
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│●未成年者への贈与の際の贈与契約書とは
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贈与契約書例 《未成年者用》
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贈与契約書
贈与者 鈴木 五郎(以下、「甲」という)は受贈者 鈴木 孫男(以下、「乙」という)に金銭 ○○○○○円を無償で与える意思を表示し、乙の法定代理人(鈴木 太郎(父)鈴木 花子(母)はこれを受諾した。また、甲は平成○年○月○日までに当該金額を乙の下記の口座に振り込むものとする。
○○銀行○○支店 普通口座 ○○○○
口座名義人 鈴木 孫男
平成○年○月○日
甲
住所 ○○
氏名 鈴木 五郎 (印鑑)
乙
住所 ○○
氏名 鈴木 孫男 (印鑑不要)
乙の法定代理人(父)
住所 ○○
氏名 鈴木 太郎 (印鑑)
乙の法定代理人(母)
住所 ○○
氏名 鈴木 花子 (印鑑)
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│●そもそも扶養義務者相互間の生活費や教育費の支給は贈与税の対象外に
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そもそも配偶者や子供、孫などに対して生活費や教育費の援助をすること事態は、贈与税の課税対象から除外されています。
例えば、毎月の生活費を妻に手渡す際に、贈与税のことなどは一切考えたことはないでしょう...いちいち生活費に贈与税が課税されることになりますと、この世の家庭がギスギスしてしまいます!
ですから、祖父あるいは祖母が孫の学費を負担したような場合には、祖父母と孫は直系血族の関係にあるため、祖父母と孫が同居していなくても(生計を一にしているかどうかにかかわらず)、贈与税は非課税とされることとなります。
学費の負担を受ける孫の親、つまり祖父母から見れば子が学費を負担するだけの資力を有しているかどうかはかかわりがありません。
親に子の学費を負担するだけの十分な資力があったとしても、祖父母が負担した孫の学費に対して贈与税は課税されないこととなります。
【Check Point】は【通常必要と認められる部分の金額】かどうかという点です。
大学の学費であれば、入学金と授業料は問題なく非課税となりますが、たとえばこれとは別に入学祝金を渡してそれが贈与税の基礎控除(110万円)を超えていれば、当然にその部分については贈与税が課税されることとなります。
要するに、生活費や教育費を必要な都度、必要となる額だけ負担をしてあげる分には問題がありませんが、それを生活費や教育費に使わないで貯蓄や保険加入、株式投資などをすれば、即 贈与税の課税対象になりますので、ご注意してください。
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│●最後に:::
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相続税の節税対策のための贈与ですが、計画的にきちんとした意思を伝えて実施をしないととんでもないことになります。
以前、東京の会計事務所に勤務していた時に、小学生の子供が親から貰えるだけのお金を貰い、頭を金髪にして学校も行かないでゲームセンター通いをしたいた子がいました。
必要な都度、必要なだけですが、これを節税対策のみしか考えないで実行しますと、自分の子供たちも孫たちも勤労意欲を失いかねないような贈与を考えものです。
きちんとした考え方を伝えて、がんばっているならその応援を多少してあげよう!という考え方がいいのではないでしょうか?
『未成年者に対する贈与をする場合とは』でした。
では、お仕事頑張って下さい。
Support黒川会計

